#author("2025-05-06T16:57:59+09:00","","") #author("2025-05-06T16:58:24+09:00","","") * 1998年度第9回火山若手の会-東京大会-総括 [#qe429e11] [[元に戻る>wakate99]] [[写真集を見る>wakate99_photo]] ** 概要 [#xa3aadba] < 1998年11月21日,22日に東京都港区 の東京浜松町海員会館で,第9回火山若手の会が開催されました. 今回の若手の会には特にテーマなどはありませんが, 火山,火成岩,マグマに関する様々な研究分野のレビューを基本 とした8つの講演が行われました. > ** 1.プログラム [#ge008013] ''11月21日(土)'' < 13:00〜13:50受付 東京浜松町海員会館 東京都港区海岸1―4―9,TEL03―3433―5688 < 14:00〜14:50 相澤幸治(東北大/地球物質科学/M1) ''島弧発達史解読計画-新生代東北本州弧を例にして-'' < 10分休憩 < 15:00〜15:50 下司信夫(東大/地質/D1) ''火山の根を覗く:貫入岩体からよみとる火山深部過程'' < 10分休憩 < 16:00〜16:50 中道治久(東北大/地震・噴火予知研究観測センター/D2) ''岩手山の観測から見えてきたこと―噴火予知観測の現状と今後―'' < 17:00〜 夕食・入浴 < 19:00〜21:00 ''自己紹介をかねたポスターセッション(お酒とジュースあり)'' ''11月22日(日)'' < 7:00 起床 7:30〜8:30 朝食 < 9:00〜9:50 石峰康浩(東大/地震研究所/D2) ''火山噴煙のダイナミックス〜理論研究の現状と今後の方向性〜'' < 10分休憩 < 10:00〜10:50 宮城磯治(地質調査所/火山地質) ''マグマは何処でどの様に脱ガスするか?'' < 10分休憩 < 11:00〜11:50 後藤章夫(防災科学技術研究所) ''マグマのレオロジー'' < 12:00〜14:00 昼食,休憩,自由時間 < 14:00〜14:50 松影香子(東工大/地球惑星科学/PD) ''上部マントルにおけるマグマの発生'' < 10分休憩 < 15:00〜15:50 広瀬敬(東工大/地球惑星科学/助手) ''コア-マントル境界における融解'' < 10分休憩 < 16:00〜16:50 本年の火山若手の会討論会,火山・火成岩研究に関するアンケート,来年度の世話人の選出,事務連絡等 < 17:00 現地解散 ** 2.参加者名簿 [#gca166c9] |~氏名|~所属|~学年|~21日|~22日|~三宅島巡検|~三宅島の宿| |相澤幸治|東北大/地球物質科学|M1|○|○|×|-| |石峯康浩|東大/地震研究所|D2|○|○|○|A| |上野龍之|日大/地球システム科学|B4|○|○|○|A| |江藤和歳|東工大/地球惑星科学|B4|○|○|○|A| |及川輝樹|信州大/地質|M2|○|○|○|A| |久保啓子|東大/地質|M2|○|○|○|A| |下司信夫|東大/地質|D1|○|○|○|A| |後藤章夫|防災研/地圏地球科学技術研究部|-|-|○|○|×| |篠崎健|東工大/地球惑星科学|B4|○|×|○|A| |嶋野岳人|東大/地震研究所|D1|○|○|○|A| |志村玲子|東大/地質|M1|○|○|○|A| |菅原透|東工大/地球惑星科学|D1|○|○|○|A| |高田修一|日大/地球システム科学|B4|○|○|?|-| |高見将夫|東工大/地球惑星科学|B4|○|○|×|-| |竹内晋吾|東工大/地球惑星科学|M2|○|○|○|A| |竹口了介|東工大/地球惑星科学|M2|○|○|○|A| |常松佳恵|千葉大/地球科学|B3|○|○|×|-| |東宮昭彦|地質調査所/地殻熱部|-|○|○|×|-| |中道治久|東北大/地震・噴火予知研究観測センター|D2|○|○|×|-| |中山聡子|日大/地球システム科学|B2|○|○|×|-| |新堀賢志|千葉大/地球科学|B4|○|○|○|A| |西田創|東大/地質|D1|○|○|○|A| |西原遊|東工大/地球惑星科学|M1|○|○|○|A| |蓮沼賢|東京学芸大/地学|B3|○|○|×|-| |広瀬敬|東工大/地球惑星科学|-|×|○|×|-| |古川道夫|日大/地球システム科学|B4|○|○|×|-| |松影香子|東工大/地球惑星科学|PD|○|○|○|A| |宮城磯治|地質調査所/環境地質部|-|○|○|×|-| ** 3.三宅島火山巡検 [#gca166c9] 討論会終了後,三宅島火山巡検を行いました. 三宅島火山巡検,日程 ''11月22日(日)'' <21:00 東京竹芝桟橋集合 <22:30 出航 ''11月23日(月)'' <5:30 三宅島到着 <7:00〜18:00 阿古小・中学校跡,赤場暁,三七山,新澪池,大路池 <宿泊地:旧三宅島阿古ユースホステル ''11月24日(火)'' <9:00〜12:00 雄山登山 <午前中の巡検終了後、現地解散 <14:10頃 三宅島出航 <20:30頃 東京竹芝桟橋到着 ** 4.アンケート結果 [#f8c701db] < 1998年火山若手の会終了後にとったアンケートの結果を報告します. < (1)全体的な感想を述べてください. 「異なる専門分野の研究が分かりやすく紹介されていて良かった,学部生などから初歩的な質問がもっと出てもいいのでは?」「レビューなので基礎的な勉強になった」「様々な内容のレビューがあって大変勉強になった.人数もあまり多くなく,全体的にまとまりがあった」「岩石系の参加者が多かったので,なじみが薄かった(私は地物)」「いろんな人がいておもしろかった.会場が少し寒かった」「一泊だったせいかポスターセッションの時間が短すぎて全部見られなかった.宿は想像より良かった」「各講演とも細部の各論に入らずに,レビューしていて部外者にもよく理解できた.このことは非常に良かったと思う」「適度な数と内容の講演て美味しかったと思う」「概ね良かったが,レビュー的な講演よりもテーマをたてて話題をしぼると良かったと思う」「たいへん面白かった」「とても刺激になりました.休憩10分が少しきつかった」「場所,スケジュールともほどほどでよかった.コンパ部屋がもう少し広ければいうことなし」「とても勉強になりました.難しくて理解できないことも多かったですが,新しい興味もわきました」「講演やポスターなどで色々な題材を研究している人がいて,何でも研究対象にすることができることがわかったということで自分には良い収穫になった」「東京ということで参加しやすくてよかった」「地質関係の話を聞けてよかった」「皆様がとてもうちとけて話をしてくれたので,窮屈でなくてよかった」「人数的に小規模でほぼ全員と話ができてよかった」「人数が少なくやや淋しかった」「新鮮」「学部生が多く,若い「やる気」をはだで感じて刺激になった.部屋の天井にあった扇風機がレトロな感じで「地道に勉強している」というムードを演出していたのが良かった」「良かったです」「講演の数がほどよい.寒い」「よかったです.楽しかった」「各講演ともわかりやすくレビュー〜講演をする配慮がされていたと思う」「夜の宴会を増やしてもいいんじゃないですか?」 < (2)開催時期(11月)はどうでしたか? 良い:9人 悪い:16人 良いと答えた人の理由 「時期的にはそれほど忙しくない」「フィールドに出かけなくなる時期で,かつ学会がない時であるから」「巡検をするにはいいと思います」「条件付でよい.関東,西日本で開くときはこの時期でよいが,信越,東北,北海道では寒すぎる」「あまり寒くもなく暑くもなかったので」「開催場所との関係が大事だと思う」「でももうちょっと早いほうがよい」「たまには良い」 < 悪いと答えた人の理由 「休みではないので,授業のある学生が来ることができない.巡検が寒そう」「個人的な理由だが,AGUに近くて,ちときつい.また11月は大学院の中間発表などがあり,落ちついて出席できない」 「休業時期の方がみんなが集まりやすいのではないか」「寒い.人が集まりにくい」「参加者が少なかったのは皆が忙しい時期だったからだと思う」「本年度はしかたがないが,やはり人が集まりやすい8月上旬?がいいように思える」「論文生には酷な話し」「その他の学会等のスケジュールが入りやすい」「寒いので巡検に不向き」「遠くの人には参加しにくい時期だったのでは?」「時間をとりずらい」「忙しい」「寒い」「8月にしてくれ.寒い」「卒論前なので,余裕がないと思った」 < (3)開催場所(東京)はどうでしたか? 良い:21人 悪い:3人 ?:1人 良いと答えた人の理由 「集まり易い」「それほど遠くないので楽」「地理的に全国の中間にあるから.ただし巡検地が遠い.観光地でやる方が楽しみが増えるので,地方でやるのもいいのでは」「便利である」「特に浜松町は交通の便が良いので.ただし毎年東京っていうのは火山がないので雰囲気がでない」「巡検地への出発地点へのアクセスが良かった」「北→南→中央」「全国的に見て集まりやすいところだから」「比較的アクセスしやすい」「近いし,安い」「講演を聞くという点では交通の便がよいのでベストだが,巡検のことを考えると違う場所のほうがよいかも」「参加しやすく,交通費がかからない」「仕方がないのではないか.東京在住の人が多かったから,あえて泊る必要はなかったかも」「静かである」「近い」「でも次は違う場所がよい」「やりやすい」「強いていうと良いになるが,どちらでもない」 < 悪いと答えた人の理由 「温泉や火山を楽しみにくい」「いろいろな意味で魅力にとぼしい.特に遠地の人にとっては」「周辺の人しか集まらなかった」「どこか山の中,海のそばとか,巡検地に近い場所がよい」 < (4)来年の若手の会はいつ,どこでやると良いと思いますか? 「夏休みに,どこでもよい」「8月下旬〜9月上旬,どこか火山の近く」「7〜9月か2〜3月,近くに火山(温泉)がある場所」「夏休み,アクティブな火山があるところ」「8月か9月,巡検に行きやすそうな所で.案外不便な場所でもヒマがあれば人は集まると思う」「来年の幹事の方におまかせしますが,やはり8月にやってもらいたいと思います」「夏,今まで行われていないところ.アイスランド,ブラジル」「6月下旬,8月上旬,12月中旬」「5〜8月,東北地方南部の火山の近く」「6〜10月頃,温泉地」「おまかせします」「今年と同じ位の時期,ないし7月中旬」「春,温泉地」「今ごろ,東京で」「10月に草津セミナーハウスで」「人の集まりやすさ,参加しやすさを考えると夏休み」「春,外国で」「夏に,避暑地で」「夏に,北海道か九州」「東北,または北海道,高原でもよい.寒いところはパス」「夏休みに,東北で」「夏〜秋,火山の麓」「6月に,代々木の青少年センターで」 < (5)今年の若手の会の講演のうち良かったと思うものを理由とともにあげてください. (いくつでも可) 「中道さんの発表;最新の詳細な火山のデータを知ることができ,噴火予知の現場の臨場感が伝わってきた」「石峰さんの発表;火山噴火のビデオを見たあとで話を聞いたので,イメージがわきやすかった」「後藤さん,下司さんの発表;マグマ溜まり周辺でのマグマの集積,変化と,噴出時のマグマの挙動に対して大変示唆に富むものだった」「石峰さんの発表;ビデオが楽しかった.普段おおよそ噴火とは縁がないためイメージをふくらますのに役立った」「中道さん,石峰さんの発表;自分の興味ある分野だったから.わかりやすく話してくれた」「すべて」「下司さん,松影さん,広瀬さんの発表;初心者にもわかりやすい.部外者でも理解できる範囲で説明している」「松影さん,後藤さんの発表;レビューがわかりやすかった」「甲乙つけ難い,どれもよかった」「後藤さんの発表;実験の話しと天然の話しがうまく組み合わされていて,聞きやすいし面白かった」「全部面白かったが特に下司さん,中道さん,広瀬さんの発表;興味があったから」「中道さんの発表;岩手山に興味があったので面白かった,石峰さんの発表;ビデオという動く映像がとくに良かった」「広瀬さん,下司さんの発表;自分の興味のあるものであったし,自分なりに理解できる点が多かったので」「石峰さんの発表;自分は流体力学は分からないけれども,ちゃんと勉強したいという気持ちをもちました」「宮城さん,後藤さんの発表;ごく個人的な今やっていることの関係でおもしろかったが,全講演興味深く聞くことができた」「石峰さんの発表;自分が地物系のため他の話はよくわからなかった」「石峰さんの発表;映像が楽しめたから」「中道さんの発表;タイムリー」「宮城さんの発表;マグマのガスってどうなっているんだろうと改めて考えされられたので」「どれも良かった.10分休憩を入れたのはよいアイディア」「石峰さん,宮城さん,後藤さんの発表;自分の興味とは異なる方向で楽しかった」「中道さんの発表;火山活動の姿をリアルタイムに感じることができた」「石峰さんの発表;わかりやすく講演していたから.宮城さんの発表;私の卒論と関係があるかなと思ったから.松影さんの発表;面白かったから」 < (6)今後,どのような講演を望みますか? また,もし具体的に講演を聞きたい人がいたら氏名をあげてください.</H4><br> 「大学ではやっていないような意外な火山のアプローチの話」「大ボラでも良いから夢が見れそうな研究をしている人の講演」「用語,実験器具,手法の名など,もっとフォローが欲しかった」「わかりやすく話してくれるひと,熱力学的,電磁気学的観点から火山を研究している人」「今年は地表からコアーマントル境界まで物理モデル,岩石学,地質学,地球物理等,非常にバランスのよい講演が聞けました.誰とはいいませんが,来年もこのようにバランスのよい講演者を選択していただきたい」「内容の深いことをとにかくわかりやすく理解できるような講演.ムダを省いた合理的な発表」「ひとつの事柄について各分野の人が講演する」「他分野との境界領域の研究,ガラス工学,粉体工学,非線形物理...」「後藤さんが行ったような講演」「安井さん(日大),木村さん(島根大),中山さん(島根大),宝田さん(地調北海道),林さん(秋田大)」「映像によるものがすごくよく感じられたので,ビデオとかを見て見たいです」「色々な分野のもの」「火山物理関係の話」「噴火のメカニズム,噴火のトリガー,噴火中のマグマ内で何が起き,それが噴火様式とどう関係するか」「世界の火山を映像を使って紹介する講演」「気軽な楽しみとして聞けるもの,かつ本質的な理解ができるもの」「とくになし,貫入岩の話を聞きたい」「今回のように分野は幅広いほうが良いが,あまりにレビューが多いのも考えもの」「基本的にレビュー主体のほうが良い」「古地磁気の話」 < (7)あなたが,火山,マグマ,火成岩に興味をもっているのは何故ですか? 簡潔に述べてください. 「単なる道楽」「先天的」「興味の持ちはじめはきれいな石が好きだったから.しかしそれらはいまから思えば変成岩だったような気が...」「火山関連の本を読んで感動したから」「謎」「石は人生そのもの」「火山は美しいから.地学現象の中で最も派手だから」「小学生のとき見た噴火のVTRが印象的だったから」「何故でしょう?とにかくひかれた」「地質学のうち火山地質はいろいろなことができるから」「火山の活動が華やかで,かつ知られていないことが多いから」「小学生のとき何故山から溶岩が噴出するのか不思議に思ったため」「マグマの挙動を知りたいから.またそれによってどのような現象がみられるのか知りたいから」「なんでだろうね」「何故噴火が起こるのか不思議.噴火が美しい」「卒論テーマだから」「火山撲滅の野望のため」「きれいだから」「そこに山があるから」「噴火は自然の神秘を感じさせてくれるから」「旅行できるから」 ** 5.総括 [#n68a0460] < 今年の火山若手の会は当初,9月に草津で行われる予定であったが,幹事校である東工大側の都合により延期となった.結果として11月下旬に東京浜松町で開催された.今年の若手の会は,ここ数年行われてきた会と比較して(1)火山や火成岩研究に関する幅広い分野のレビューが中心である,(2)秋の開催,(3)交通の便の良い場所(駅から徒歩2分),という点で特色あるものであった. < 全講演終了後にとったアンケートの結果から判断すると,テーマを絞らずに講演者を選択したという点は好評であった.これまでの夏の開催では,野外調査のために参加できない人達がいたが,開催時期を秋にしても参加者は増えなかった.これは卒論,修論,博論などをまとめる時期に近かったためと考えられる.開催場所は,ほとんどの参加者が東京近辺からだったためか,アンケートに「良い」と答えた人が多かったが,来年の開催時期と場所については夏に火山の近くなどの避暑地でやってほしいという声が多かった. なお,来年の幹事については東大地質学教室が担当することに決まった. (幹事:菅原透,竹内晋吾;東工大理学部地球惑星科学科) ** 6.会計 [#mb8b8dd7] |会費(宿泊者のみ)|5,800×25=145,000円| |宿泊費|66,000円| |夕食費|20,800円| |朝食費|13,000円| |会場費|31,300円| |アルコール代|10,200円| |その他(お菓子,セロテープ)|3,456円| |合計|144,756円| |残金|244円(来年度繰越)| ** 7.関連リンク [#l9118ad6] (注:''現在は全部リンク切れになっています'') 「火山若手の会ML」ホームページ http://www.aist.go.jp/GSJ/~tomiya/wakate_info.html 1998年3月火山若手の会,関東地区合同セミナー http://tsunami.geol.s.u-tokyo.ac.jp/seminar-j/petrology-j/wakate9803/index.html 1997年火山夏の若手の会ホームページ<BR> http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/kurihara/wakate-meeting.html 1996年火山夏の若手の会ホームページ http://cosmos.epms.hokudai.ac.jp/1st/ryuta/wakate96.html 1990年〜96年までの火山若手の会の開催記録 http://www.aist.go.jp/GSJ/~tomiya/wakate_seminars.html 東工大理学部地球惑星科学科高橋研究室のホームページ http://www.geo.titech.ac.jp/takahashilab/takahashilab.html [[写真集を見る>wakate99_photo]] [[元に戻る>wakate99]]