斜長石斑晶は鏡下観察での特徴およびEPMA観察によるAn量分布のパターンに基づいて以下のように分類した
組成分布 | 分類名と特徴 |
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#ref(): File not found: "type1pl.jpg" at page "data" | **Type 1** コアのAn量が一定でゾーニングを示さない. このタイプは他のタイプよりもコアがAn-richであることが多い. ソレアイト系列ではメルト含有物を含まない場合と含む場合がある. 後者の場合は単斜輝石+FeTi酸化鉱物に結晶化している場合が多く, 周囲がホストよりもAb成分に富む斜長石で被われている. カルクアルカリ系列では含有物を含まない. |
#ref(): File not found: "type2pl.jpg" at page "data" | **Type 2** An-richコアの外側にAb-richマントルが存在する.両者の境界は不連続である. An-richコア,Ab-richマントルはそれぞれ組成的に不均質な場合もある. Ab-richマントルはオシラトリーゾーニングを示すことがある. ガラス化したメルト含有物を含まない場合と含む場合がある. メルト含有物を含む場合はメルトの周囲がホストよりもAb成分に富む斜長石で被われている. |
#ref(): File not found: "type3pl.jpg" at page "data" | **Type 3** An-richコアの外側にAb-richマントルが存在し,さらにその外側にAn成分に富むリムが存在し,それぞれの境界は不連続である. An-richコア,Ab-richマントルはそれぞれ組成的に不均質な場合もある. メルト含有物を必ず含み,その周囲がホストよりもAb成分に富む斜長石で被われている. |
#ref(): File not found: "type4pl.jpg" at page "data" | **Type 4** Ab-richコアの外側にAn-richマントルが存在する.両者の境界は不連続である. Ab-richコア,An-richマントルはそれぞれ組成的に不均質な場合もある. メルト含有物を必ず含み,その周囲がホストよりもAb成分に富む斜長石で被われている. |
#ref(): File not found: "type5pl.jpg" at page "data" | **Type 5** コアのAn量が不均質であり幅広く変化する.オシラトリーゾーニングを示すこともある. ガラス化したメルト含有物を含まない場合と含む場合がある. メルト含有物を含む場合,その量は他のタイプの場合よりも少なく,ホストよりもAb成分に富む斜長石で被われている. |
#ref(): File not found: "type6pl.jpg" at page "data" | **Type 6** コアに汚濁帯(1-3μm程度の単斜輝石±Fe-Ti酸化鉱物±ガラス±シリカ鉱物の集合体)があり,その外側にクリアーなマントル or リムが存在する. カルクアルカリ系列では汚濁帯の周囲がホストよりもAb成分に富む斜長石(クリアーマントル)で被われている. ソレアイト系列ではクリアーマントルが存在せず,コア〜縁から10-30μmの範囲までAn量が均質であることが多い. |
#ref(): File not found: "type7pl.jpg" at page "data" | **Type 7** クリアーなコアの外側に汚濁帯(1-3μm程度の単斜輝石±Fe-Ti酸化鉱物±ガラス±シリカ鉱物の集合体)を伴うマントルが存在する. 汚濁帯の周囲はホストよりもAb成分に富む斜長石で被われている. コアがAb-richかつマントルがAn-richな場合,コアのAn量がマントルのAn量とほぼ等しい場合,コアのAn量がマントルとの境界に向かって正累帯を示す場合がある. |