測定物性 | 室温におけるガラスの密度 |
温度範囲 | 室温(10-25℃) |
測定精度 | 確度 ±0.02%以内,精度 ±0.03%以内 |
設計・製作 | 菅原 透・大平俊明 |
履歴 | 2009年(滋賀県大)〜,2014年(秋田大)〜 |
設置場所 | 総合環境理工学部5号館 112室 |
測定原理
物質を溶液に沈めたときに生ずる浮力はその物質の体積と溶液の密度の積に等しくなります(アルキメデスの法則).従って,空気中の物質の重さと密度既知の溶液中での重さの差から浮力を求めれば,その物質の体積を決定することができ,体積を物質の質量で割れば密度が求まります.この原理でガラスの密度を測定する装置です.
分析天秤のフックで容器を吊り下げます.真下のビーカーには浸液を入れて,ラボジャッキで上下させることで,容器を浸液に出し入れできるようにしています.最初に空の容器を所定の位置まで沈めて質量を計測し,次に容器に空気中での質量を計測済みのガラス試料を入れて同じ位置まで浸液中に沈めます.2回の測定の差から浸液でのガラスの重さを求めます.浸液と吊線の間で生ずる表面張力を最小化するために,吊線には直径0.2mmのアルメル線を用いています.また浸液の密度は室温で変化するため,密度測定の間は浸液の温度も常に計測しています.<br> ラボジャッキを確実に固定することと天秤の安定性を高める目的で,それぞれ厚さ10mmの鉄板に据え付けられています.
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我々の測定では浸液としてトルエンを使用しています.<br> トルエンを用いる理由は,室温付近での密度が精密に計測されており文献(Glen and Johns (2009) Journal of Chemical & Engineering DATA, 54, 2538-2545)で報告されている,粘度が低い,密度が大きい,揮発性が高いため試料がすぐに乾くなどの利点があるためです.
天秤には0.01mgの精度のSHIMAZU AUW-120Dを用いています.
計測プログラム
0.01mg精度の天秤は安定しずらいので,ドリフトを定期的に計測して減算する自作のプログラムを用いて密度測定を行っています.