#author("2025-05-02T20:51:24+09:00","","") #author("2025-05-02T20:52:15+09:00","","") &size(20){''Plate2:御苗代溶岩の石英含有カンラン石単斜輝石斜方輝石安山岩''};~ [[尾根道に戻る>Iwate_field2]] [[尾根道に戻る>Iwate_field3]] |Sample No.|斑晶|石基|モード組成(vol%)|石基密度(g/cm3)| |95082102|カンラン石,斜長石,単斜輝石,斜方輝石,磁鉄鉱,±カンラン石,±石英|斜長石,ピジョン輝石,普通輝石,クリストバライト,磁鉄鉱,ガラス|カンラン石=0.2,斜長石=23.3,単斜輝石=3.0,斜方輝石=4.6,磁鉄鉱=0.5,石英<0.1,石基=68.4|2.726| #br #ref(plate2c.jpg,left,100%) 御苗代溶岩の石英含有カンラン石単斜輝石斜方輝石安山岩の薄片写真(クロスニコル, 倍率270倍) #br ''解説'' 御苗代溶岩の安山岩は単斜輝石と斜方輝石と斜長石を斑晶として含み,稀に石英やカンラン石を含みます.石英を含む場合は上の写真のように例外なく融食された組織を示します.カンラン石は融食形態を示す単独斑晶の他,斜方輝石の反応縁を持つカンラン石斑晶が融食されている場合もあります. 斜長石斑晶は塵状含有物を含むものと含有物を含まないクリアーなものがあります.斜長石斑晶はしばしば斜方輝石,単斜輝石,磁鉄鉱とともに集斑晶を形成します. 全岩化学組成は岩手火山全体の中でもっともフェルシックであり,斑晶の間隙や斑晶中に包有されたガラスの中のSiO2量は70wt%を超えます.また,Miyashiro図上では岩手火山の中で唯一カルクアルカリ系列に分類されます. 鉱物化学組成は,いずれの斑晶も1枚の薄片内においても幅広い組成範囲を示し,カンラン石や斜方輝石についてはMg/Fe比に関してバイモーダルな組成分布をとります.単斜輝石や斜長石は稀に逆累帯構造を示します. このように,御苗代溶岩の安山岩はマグマ混合を被ったカルクアルカリ安山岩の典型的な特徴を示しますが,石基輝石がピジョン輝石+普通輝石の組み合わせであるという点が,他の火山のカルクアルカリ安山岩とは異なっています. #br ''この安山岩の化学組成(wt%)'' ||SiO2|TiO2|Al2O3|FeOt|MnO|MgO|CaO|Na2O|K2O|P2O5|Total| |全岩化学組成|60.61|0.78|15.64|7.17|0.13|3.49|7.00|2.97|1.16|0.11|99.06| |石基化学組成|65.01|0.76|14.46|6.21|0.12|2.86|5.69|3.02|1.42|0.13|99.67| ''鉱物化学組成化学組成(代表的な値, wt%)'' ||SiO2|TiO2|Al2O3|FeOt|MnO|MgO|CaO|Na2O|K2O|Total| |カンラン石斑晶(コア)|40.28|-|0.01|16.19|0.18|44.00|0.14|0.03|0.01|100.99| |単斜輝石斑晶(コア)|451.15|0.53|2.66|11.62|0.32|14.67|18.63|0.17|-|99.76| |単斜輝石斑晶(リム)|50.61|0.66|2.97|11.32|0.33|13.66|19.63|0.24|0.01|99.44| |斜長石斑晶(コア)|54.90|-|27.63|0.51|0.03|0.07|11.28|4.32|0.18|98.90| |石基ガラス|75.31|0.81|11.20|3.49|0.06|0.27|1.35|1.74|2.68|96.95| [[尾根道に戻る>Iwate_field2]] [[尾根道に戻る>Iwate_field3]]