#author("2025-05-02T21:53:14+09:00","","")
#author("2025-05-02T22:15:10+09:00","","")
&size(20){''Plate5:薬師岳溶岩のカンラン石玄武岩''};~

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|Sample No.|斑晶|石基|モード組成(vol%)|石基密度(g/cm3)|
|95072606|カンラン石,斜長石|斜長石,ピジョン輝石,普通輝石,磁鉄鉱|カンラン石=5,斜長石=25,石基=75|2.982|
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#ref(plate5c.jpg,left,100%)
  薬師岳溶岩のカンラン石玄武岩の薄片写真(クロスニコル, 倍率270倍)
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 ''解説''
 薬師岳溶岩の玄武岩はカンラン石+斜長石の場合,カンラン石+斜方輝石+斜長石の場合,カンラン石+斜方輝石+単斜輝石+斜長石の場合がありますが,上の写真はカンラン石と斜長石のみを斑晶として含むカンラン石玄武岩です.
 カンラン石玄武岩の場合は,すべてのカンラン石が卓状自形で例外なく薄いピジョン輝石の反応縁を伴います.また,ほとんどのカンラン石斑晶がクロムスピネルを包有しています.斜長石斑晶は多い場合と少ない場合があります.斜長石斑晶が多い場合はそれらのほとんどがクリアーであり,斜長石斑晶が少ない場合は(上の写真のように)汚濁帯構造を持つものが多い傾向があります.斜方輝石斑晶はコアがカンラン石である場合が多く,薄いピジョン輝石の反応縁を伴います.
 上の写真のカンラン石玄武岩は,全岩化学組成の点でSiO2量がとくに乏しく,薬師岳溶岩の中で最も未分化な組成を示します.
 鉱物化学組成は,1枚の薄片内においても広い範囲内に渡りますが,全体としてはシングルモーダルな組成分布を示します.
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 ''この捕獲岩の化学組成(wt%)''
||SiO2|TiO2|Al2O3|Fe​Ot|MnO|MgO|CaO|Na2O|K2O|P2O5|Total|
|全岩化学組成|51.33|0.73|17.12|9.27|0.16|7.65|10.25|1.99|0.18|0.08|99.79|
|石基化学組成|53.130|0.89|16.20|9.76|0.18|6.19|9.99|2.45|0.22|0.12|100.22|
|石基化学組成|53.13|0.89|16.20|9.76|0.18|6.19|9.99|2.45|0.22|0.12|100.22|

 ''鉱物化学組成化学組成(代表的な値, wt%)''
||SiO2|TiO2|Al2O3|Fe​Ot|MnO|MgO|CaO|Na2O|K2O|Total|
|カンラン石斑晶(コア)|38.82|-|0.01|15.20|0.22|43.25|0.14|0.02|0.01|97.86|
|カンラン石斑晶(リム)|39.50|0.02|0.02|18.14|0.32|41.95|0.16|0.05|-|100.29|
|斜方輝石斑晶(コア)|50.84|0.01|29.24|0.97|0.01|0.18|13.68|3.24|0.10|98.36|

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